「健太君の肌は絹の肌」
早苗が健太にこう言うと、健太は大笑いをするのだった。
「どうして笑うの、人が真剣に言っているのに」
早苗はふくれっ面をして健太に言葉を返した。
「だってその言い方、王様の耳はロバの耳に聞こえたんだもん。気に障ったらごめん」
健太は素直に謝った。
「そう言われると、私の言い方は王様の耳はロバの耳の聞こえるよね」
と早苗も今度は笑いながら言葉を返したのである。
「早苗ちゃんは、ぼくの事を真剣に愛そうとしている、ありがとう」
健太が大真面目に早苗にこう言った。
「分かってくれるの、うれしい」
早苗はこう言うな否や、自分の頬を健太の頬にくっつけるのだった。
「気持ちいい」
健太が恍惚の表情を浮かべて早苗にこう言った。
「私の事好き」
「うん」
二人の間に恋の物語の甘い序章の雰囲気が漂ったのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿