2010年8月19日木曜日

小説 女の子が必ず通る道 第2回 8月19日

 早苗はいつの頃からか夜ベッドで、自分の指で自分の敏感な部分をまさぐるのが日課のようになっていた。
 その時決まって思い浮かべるのが、
「先輩の中村幸彦か同級生の健太「
であった。
 日替わりメニューのように、
「ある日は中村幸彦そしてまたある日は健太」
 といういうに、その日の成り行きで思い浮かべる相手が違っていたのだ。
「初体験はどっちになるんだろう」
 早苗にもそれは分からなかった。
「神様が決めてくれえるだろう」
 そう信じるのが一番良いと自分に言い聞かせる毎日だったのである。
ある夜早苗は夢を見た。
「突然、先輩の中村幸彦が覆いかぶさってきたのである」
 早苗は、中村の事は嫌いではなかったが、やはりいざとなると怖かった。
「だめ、だめ、だめ」
 早苗は絶叫した。
それでも中村はしつこく早苗に迫ってきた。
「止めて・・・・・・・・・・・・」
 こう叫んだところで目が覚めたのだった。
「夢か・・・・・・・・・・」
 早苗は汗をびっしょりとかいていた。
「夢でよかった」
 ため息をついた早苗だが、なぜか敏感なところは激しく濡れていたのである。 

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